オステオパシーは、当院院長がカイロプラクティックの余技として学び始め、どっぷりとつかってしまった米国発祥の徒手医学で、カイロプラクティック原口の裏技ともいえる存在です。
オステオパシーでは、症状は「身体構造の異常によって身体の生理作用が適切に働かないために起こる」と考えています。
欧米のオステオパス(オステオパシー医)は、医学の教育と訓練を十分に積んでいるので(米国では医師と同等)、医学的診断も当然のように行いますが、基本的には、症状そのものを追いかけるというよりは、身体の状態を整えることで血液やリンパ液の循環をよくし、身体が本来持っている治癒力を最大限発揮することで健康に導くことを重要視しています。
テクニックの面からみると、オステオパシーでは筋骨格系(骨、関節、筋膜など)や、循環器系(血液、リンパなど)、神経系(脳脊髄液の循環を含む)など全身に対する評価と多くの施術方法がありますが、ソフトなものが多い身体に優しい施術です。
しかし反面、詳細な医学知識にもとづいた卓越した触診能力がなければ、正確な診断と適切な施術ができず、効果が現れにくい側面もあります。
オステオパシー療法は、こんなお悩みを持った方におすすめです
- 腰痛
- 肩こり
- 頭痛
- むち打ち症
- ぎっくり腰
- 坐骨神経痛
- 側わん症
- 首の痛み
- 手足の痛みや動かしずらさ(股関節・膝・足や手・肘・肩など)
- 顎関節症
- 不眠
- 手足のしびれ
- 胸郭出口症候群
- 寝違え
- めまい
- 自律神経失調症
- 疲労・倦怠感・息苦しさなどの不定愁訴
オステオパシーのテクニック
オステオパシーテクニックの原則は、大きくわけて次の2つに分類されます。いずれもほとんど力を使わない優しい施術法です。
直接法:動きの制限のある方向に動かすことで、可動性を回復する方法です。
間接法:直接法とは反対に、動きやすい方向に力を加えることで組織をゆるめ、可動性を改善していきます。
関節に対するテクニック
脊椎や骨盤、四肢(手足)の各関節の動きを改善する方法にも、直接法と間接法があり、お身体の状態によって使い分けできるのがオステオパシーの優れたところです。
直接法には、穏やかに動かすモビライゼーションやHVLA(高速低振幅テクニック=スラスト法)も含まれています。
間接法では、関節の動きとともに周囲の靭帯や筋肉の緊張なども解放されます。
ストレイン&カウンターストレイン
過剰に緊張した筋によって身体のバランスをくずし痛みが生じている状態を、身体を楽な位置にもっていくことで痛みを改善するテクニックです。
同様のテクニックが理学療法などではポジショナルリリースセラピーと称されています。
筋膜リリース
筋線維をつつんでいる筋膜の緊張をゆるめるテクニックです。直接法と間接法があります。
筋エネルギー・テクニック
患者さん自身に力を入れてもらうことで筋肉を収縮させ、筋肉や関節の動きを改善する方法です。
痛みを与えない危険性の少ない手法で、直接法の一つです。
スティルテクニック
関節を楽な位置から動きにくい方向へ動かして、動きを改善させる方法です。
間接法と直接法を組み合わせた方法で、オステオパシー創始者のスティルが使っていたテクニックだといわれています。
頭蓋オステオパシー
硬膜の緊張や頭蓋骨の動きをよくすることで、脳脊髄液の流れをよくし全身状態を改善する方法です。
頭蓋の治療はとても繊細で、ほとんど触れているような軽いタッチで行いますが、技術のない人が行うと効果がないばかりか、めまいや吐き気、頭痛、倦怠感などをおこす可能性もあります。
頭蓋仙骨療法は、この頭蓋オステオパシーの一般への普及版ともいえます。
内臓マニピュレーション
内臓をつつむ膜の緊張をとることにより、内臓の動きと働きを改善させる方法です。
内臓膜の硬さが、腰痛や肩の痛みの原因になっている場合も多々あります。
クラシカルオステオパシー
テコ作用を用いた穏やかな全身調整で、重力に対する脊柱全体のバランスを調整する方法です。
トータル・ボディ・バランシング(TBB)も同種の技法です。
バイオダイナミクス
バイオダイナミクスでは、通常のオステオパシーとは異なるアプローチをしていきます。
静かに優しく手を触れることで、日常のあわただしい意識状態から解放されてくると、とてもリラックスした状態になり、ほとんどの方は寝てしまいます。
「身体・心・精神」が同調した状態に導くことで、癒しの力=自然治癒力が強力に作用するようにサポートする方法ともいえます。
オステオパシーの現状
オステオパシーは1874年にアメリカの医師A.T.スティルによって始まりました。現在、アメリカにはオステオパシー大学(4年制)が20校以上あり、イギリス、カナダなどでもオステオパシー大学が設立されています。
アメリカでは、国家試験に合格すると、D.O.(ドクター・オブ・オステオパシー)の称号が与えられますが、これは医師(M.D.=メディカル・ドクター)と同じく、投薬や手術などもできる資格です。
また、ヨーロッパでもオステオパシーが医療として確立されている国があり、WOHO(世界オステオパシー保険機構)やAOA(米国オステオパシー協会)によって教育基準が設けられています。
一方、日本では整体やカイロプラクティックと同じで法制化されていません。カイロプラクティック以上にその実態が知られていないオステオパシーは、本物とは似ても似つかないものが堂々と標榜されていることも少なくありません。
お電話ありがとうございます、
カイロプラクティック原口でございます。