カイロプラクティックとは?

カイロ(カイロプラクティック)とは?

カイロプラクティックは、骨格のゆがみ、特に背骨のゆがみを手技によって矯正し、自然治癒力を最大限に引き出し、健康を増進させようとする施術体系です。

人間の身体は神経によって筋肉や臓器がコントロールされ健康を保っています。
この神経は脳から背骨を通り各臓器につながっています。
ところが、二足歩行をする人間の背骨は、種々のストレスで容易にゆがみを起こし、正常な神経伝達を妨げます。この背骨のゆがみをカイロプラクティックでは、サブラクセーションと称しています。

カイロプラクティックでは、アジャストメントと呼ばれる手技によってサブラクセーションを取り除き背骨のゆがみを正します。

カイロプラクティックの基本概念を簡潔に示すと以下のようになります。

背骨のズレ(サブラクセーション)は正常な神経伝達を妨げる。

           

神経伝達の異常は、自然治癒力を低下させ病気を引き起こす。

           

カイロプラクティック・アジャストメントはサブラクセーションを矯正する。

           

サブラクセーションが取り除かれると

神経伝達が回復し治癒力が最大限に発揮され健康になる。

 

実際のカイロプラクティックによる施術では、サブラクセーションの矯正だけを行う場合もありますが、背骨や骨盤の矯正のほかにも筋肉、神経などの調整や姿勢体操、栄養、睡眠などの生活指導も含めて行う場合もあります。

また、カイロプラクティックには、実に多くのテクニックがあります。

ですからテクニックだけを見ると、とても同じ治療法とは思えないこともあるかもしれませんが、基本理念は共通しています。

カイロプラクティック神経学(機能神経学)とは?

神経科学を応用した最新のアプローチ

機能神経学の検査

カイロプラクティック神経学は機能神経学ともよばれ、神経系の中でうまく働いていない部位を探しだし、カイロプラクティックアジャストメントや、その他さまざまな方法による刺激で脳や神経機能を改善していく新しいアプローチです。

このカイロ神経学は、昏睡(こんすい)患者をふくむさまざまな難治性神経疾患の治療で世界的に有名なDr.キャリックによって確立されたものでCarrick Instituteによる「臨床神経学300時間プログラム」が、世界中で行われています。このプログラムは、医師、歯科医、WHO基準のカイロプラクター向けに行われており、当院院長もこのコースを履修済みです。

左右の脳のアンバランスを回復

カイロ神経学では、左右の大脳機能のアンバランスによってさまざまな症状が引き起こされると考えられており、眼球運動(目の動き)や神経反射、運動機能、平衡(バランス)機能などのさまざまな神経学検査によって脳神経系の状態を調べ、改善方法を考えていきます。

もともと、カイロ神経学は米国で重篤な神経疾患の治療法として発展してきたものですが、左右の大脳機能のバランスをとることで、神経系疾患はもとより、腰痛や肩こり、スポーツ障害など一般的な症状に対しても、より効果的なアプローチが可能になってきます。

  • 左小脳刺激のための頸椎アジャストメント
  • 右大脳皮質刺激のための腰椎アジャストメント

カイロプラクティック神経学によって改善が期待できる症状

頭痛、めまい、しびれ、耳鳴り、目の疲れ、複視(物が二重に見える)、高血圧、不整脈、頻脈、眼振、顔面神経麻痺、嘔吐、頻尿、不眠、神経痛、胸郭出口症候群、震え、バランス機能低下、運動失調、吐き気、うつ、自律神経の問題、突発性難聴、集中力の低下、腱鞘炎、側弯症、スポーツ障害、発達障害(多動症、自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害)など

 

頭痛、めまい、しびれなどには脳疾患(脳梗塞や腫瘍)などの危険なタイプもあります。医学的な精密検査(MRIなど)が必要と判断し、専門医のいる医療機関の受診をお勧めする場合もありますのでご了承ください。

アプライド・キネシオロジー(AK)とは?

健康の三大要素

アプライド・キネシオロジーは、頭文字をとってAKと略称で呼ばれることも多いテクニックで、医師以外で初めてオリンピックのチームドクターを務めた米国のカイロプラクター・Dr.ジョージ・グッドハートによって発見された治療システムです。

 

AKでは、健康の3要素である構造・化学(栄養)・精神の調和をとることを健康回復のカギと考えています。特に筋肉に対する評価と治療に優れているため、イタリアサッカーの名門・ACミランの全盛期を支えたミランラボの中核を担ったことで知られ、世界中のトップアスリートのケアにも利用されています。

 

機能神経学的筋力テストを用いて筋骨格系をはじめ自律神経や内臓、頭蓋、ホルモン、神経、栄養のアンバランスなどの診断と施術を行うため、よりこじれた問題の解決にも有効です。

 

AKテクニックは現在、世界中に広まっており、カイロプラクター、医師、歯科医、オステオパスの4つの医療専門家からなる国際組織International College of Applied Kinesiology(ICAK)が統括しています。

 

ICAKでは、AKの正しい普及のために認定制度を設けており、当院院長もICAK認定アプライド・キネシオロジスト(certificated Applied Kinesiology DoctorまたはApplied Kinesiologist)を取得しております。

 

アプライド・キネシオロジー国際認定証

アプライド・キネシオロジー国際認定証

Quintessential Applications(クインテッセンシャル・アプリケーションズ=略称QA)とインジュリー・リコール・テクニック(IRT)について

Quintessential Applications(クインテッセンシャル・アプリケーションズ=略称QA)とインジュリー・リコール・テクニック(IRT)とはAK(アプライド・キネシオロジー)の大家・Dr.ウォルター・H・シュミットによって考案された最新のカイロプラクティック治療システムです。

当院院長は、このテクニックを創始者・Dr.シュミットとQA統括責任者のDr.マッコードの協力によって学習し、アジアで初めてのQA認定ドクターとなり、同認定試験の日本語版の管理官も任されています。

現在、院長の他に2人の日本人QA認定ドクターが誕生しています。

QAでも基本的にはAKと同様の診断と治療を用いますが、神経学、生化学、栄養学などの要素が、より豊富に取り込まれています。

またIRT(インジュリー・リコール・テクニック)という“傷害の記憶”を解消する独特のテクニックがあります。

一般的には、捻挫や打撲、骨折や交通事故など外傷を受けても骨がついたり、筋肉や靭帯の炎症が治まると「治った」「完治した」と考えます。ところがそれらの外傷のショックは神経系に痕跡を残し適切な身体の反応を変えてしまっていることがあります。IRTは急性・慢性を問わず用いられ、時に思いもかけない劇的な効果を発揮することもあります。

 

QAに関するくわしい内容はQAブログで開されています。同ブログでは、手技療法の専門機関誌『MANUAL MEDICINE(マニュアル・メディスン)』誌上で発表された内容と共に、QA認定ドクターでもある石田カイロプラクティックオフィス院長・石田昭治先生によるQAやIRTを用いた臨床症例が紹介されています。

医療関係者向けの専門的な内容ですが、ご興味のある方はぜひご覧ください。

 

徒手医学専門誌での連載

AKやQAテクニックで用いる“筋力テスト”とは?

機能神経学的な筋力テスト

◆筋力テストは何を調べているの?

筋力テストと一口にいっても、検査目的や方法にはいろいろあります。

当院で行う機能神経学的筋力テストは、単純に筋力の強さを調べるものではありません。主に感覚が正しく脳へ伝達されているか、また脳から筋肉に力を入れる指令システムがスムーズに行われているかを検査しています。

筋力テストでは、弱い筋肉が強くなったり、強かった筋肉に力が入りにくくなるという現象が起きます。

 

◆筋力テストでわかること

・弱くなっている筋肉(弱化筋)が分かる

・過剰に緊張している筋が分かる

A.弱い筋肉(弱化筋)を使った検査:弱化の原因が分かる

B.正常な強い筋肉を使った検査:身体の問題部分や、矯正方向の判断

さらに、様々な条件付けした検査では、栄養、メンタルなどの要素をチェックし、お身体の状態に合わせた施術をしていきます。

カイロプラクティックについて

日本のカイロプラクティックの問題

現在、日本国内でカイロや整体は法制化されておらず、誰でも整体やカイロの看板を掲げる事ができます。そのため、基礎医学もそこそこに短期の教育(極端なものでは数日という例も)しか受けていない施術者も多く、苦情や健康被害も多いため2012年には国民生活センターから「手技による医業類似行為の危害」という報告書が発表されています。

後述のようにカイロプラクティックにはWHO(世界保健機関)の基準というものがありますが、この国際的にも通用する基準を満たしたカイロプラクターは、600人ほどで、国内に3万件以上もあるといわれるカイロ・整体のほんの一部にすぎません。

しかし、日本にも1998年に創設された日本カイロプラクターズ協会(JAC)がWHOに準拠した法制化を目指しており、1999年より世界最大のカイロ組織・世界カイロ連合(WFC)の日本代表に認められています。現在、日本にも国際承認を受けたカイロ教育機関(東京カレッジオブカイロプラクティック:旧RMIT大学日本校)があり、日本カイロプラクティック登録機構(JCR)も創設され、国際試験期間(IBCE)と提携してカイロ統一試験が行われるようになっています。

世界のカイロプラクティックの現状

一方、海外に目を向けるとカイロプラクティックは、アメリカをはじめオーストラリア、EU諸国など約40カ国で法制化されており、西洋医学に次ぐ代替医療・ヘルスケアの地位を築いており、様々な場面で活躍しています。

例えば、カイロプラクティックの発祥地・アメリカではカイロ専門大学を卒業し、国家試験と州の開業試験をパスしないと開業できないため社会的地位も高く、「腰痛患者の80%は最初にカイロプラクティックを受診する」ほどで、整形外科医とカイロプラクターが提携していることも珍しくありません。

スポーツジャンルでは、ウサイン・ボルトやタイガーウッズ、バリー・ボンズといった著名なアスリートが、カイロプラクティックによるコンディショニングを重要視しています。またオリンピックにおいても、多くの国でチームドクターをカイロプラクターが務めているほか、選手村でも正式にカイロプラクティック・ケアを受けることが出来るようになっています。

WHO基準のカイロプラクティック教育とは

カイロプラクティックのWHOガイドライン

世界的にはWHOの基準でも明記されているように大学の学士レベル以上の教育が必要とされています。

現在、世界には40を越えるカイロプラクティック大学があり、日本では唯一・東京カレッジオブカイロプラクティック(旧RMIT大学日本校)が、正式なカイロの教育機関として国際的に認められています。

カイロ大学では、4年間(4400時間以上)かけて教育が行われますが、そのレベルは高く海外では基礎医学の単位は医学部と単位交換も可能です。

また、卒後教育として小児、動物、神経学、栄養学、スポーツなど様々な専門教育も行われています。

カイロプラクティック原口