痛みと歪みのメカニズムについて

痛みは不快な感覚ですが、
「それ以上悪くならないための警告サイン」
でもあります。

では、“歪み”の原因は何でしょうか?

当院では弱化筋(弱くなっている筋肉)に注目しています。弱化筋とは、正常に力が入らない(もしくは入りにくい)筋肉のことをいい、専門的な筋力テストをすることではっきりと分かります。

一般にほとんどの整体やマッサージでは、緊張した(=コッテいる)筋肉を問題と考え、それらをもみほぐそうとします。ところが実際には、緊張した筋肉は弱化筋によって引き起こされた反応であることが多いのです。

骨格は、筋肉の状態にも大きく影響を受けています。 骨をポールに、筋肉をロープに例えて考えてみましょう

①正常な状態では、左右のロープの張り(緊張)は同じで、ポールはまっすぐになります

②左側のロープがたるむと(弱くなる)ポールは右に傾きます。身体で言えば、右の筋肉が縮短(緊張)し、左の筋肉が弛緩した状態(弱化筋)です

ほとんどの整体やマッサージでは、硬くなった右の筋肉をゆるめるのでポールはますます不安定になります。
当院では、左の弱くなった筋肉を強くし、ポールが真っ直ぐ立つようにします。

では、この弱化筋があるとどのようなことが生じるのでしょうか?

痛みは神経が伝えていますが、脳自体には痛みを感じる特定の部分というのはありません。

 

脳では様々な部分が関わって痛みという感覚をつくっているのですが、同時に脳には痛みを抑える働きもあります。

 

その脳が健全性を保つには、身体中の筋肉や関節、内臓などからの感覚信号を受ける必要があるのですが、関節の動きが悪くなったり、筋肉がうまく作用しなくなると、これらの感覚神経刺激が不足し、脳の機能低下が起こります。

 

すると痛みに対しても敏感になってきますが、やっかいなことに感覚刺激の不足や脳機能の低下は、我々の気づかない無意識のうちに始まっており、時に情緒や感情面に問題を引き起こす場合もあります。

 

*カイロプラクティック神経学(機能神経学)では、上図3の機能低下の左右差を特に問題としており、脳の活性化と共に左右の脳のバランスを修正することを治療目的としています。

 

内臓からの痛みと歪みのメカニズムの例

  1. 消化不良により下痢をおこす(大腸の問題) *下痢による大腸の刺激自体が、内臓-体性反射を通して腰痛を引き起こすこともあります。
  2. 大腸に関わる大腿筋膜張筋(太ももの内側にある)が弱くなる(例として左側)
  3. 左側の骨盤が上がり、バランスが悪くなる
  4. 動く際の左側からの脳への感覚刺激が少なくなる
  5. 長期にわたって続くと、右脳の機能低下が起こる

カイロプラクティック原口